乱気流、グランド・コントロールと題されてDVD化されていた映画で、“フェニックス上空、墜落寸前!!着陸不可能!ジャンボ機墜落の危機”の見出しに緊迫感を感じる写真を配したパッケージデザイン(乱気流 グランドコントロール [DVD])。
昨晩のローカル地上波の放送では、「キーファー・サザーランドのエアポート24時 [DVD]」に変わっていました。こちらでの見出しは「今度の“ジャック”は大空港で絶体絶命!」となっていて、何のことだと思えばキーファー・サザーランドが主演した「24 – TWENTY FOUR – 」の評判に当て込んでパッケージが一新されたのでしょう。
1998年のアメリカ映画だから、13年前だから劇場公開されているのなら観ているはずなのだけれども印象は薄い。イギリスでは2003年、フランスでは2005年にどちらも12月のクリスマス・ホリディ前にテレビで初オンエアされている。
悪天候が迫る空港。ホリディだったのか、空港管制と言っても民間事業として成績競争があるのか女性責任者が一手に管制を請け負ってしまう。それに問題がもうひとつ抱えている。管制装置がオンボロなのだ。写真はその責任者に突き出された不良を起こした真空管(!)。クリップしてバイパスさせて対応するのだけれども、管制中のスクリーンの一部が表示されてなかった。それが174名の乗員乗客で離陸直後の緑化期が墜落、大事故となる。これが数年前に起こったバックボーンで、映画の前振り。
その後、キーファー・サザーランド演じる主人公の“ジャック”は、ショックで管制官を続けられなくなってコンピューターゲームを制作していた。そこに昔仲間から、ロサンゼルス国際空港の管制を手伝ってくれないかと相談がくる。
「大空港で絶体絶命!」と「ダイ・ハード」のような見出しとパッケージデザインだけれども、アクション映画ではなくて主人公の精神回復の映画です。
映画のタイトルロールが出るまでに10分以上を掛けて、描かれているけれども旅客機の墜落シーンは映像化されない。無線の声が「地平線で炎上する煙が見えます」と伝えるのみ、緊迫感。ニアミスを回避できた瞬間の管制室に満ちる安堵感の空気と直後の、スクリーンから機影が消えた時の衝撃。映像や編集ではなくて、演技で見せてくれる凄さ。
アクションシーンの連続で、状況に追いつくだけで見終わって疲れることで感じることの出来る充足感とは違って、見ていながらいろいろと考えさせるところがある。けして劣っているわけでは無いけど、コンピューター・グラフィックス全盛の現在のアメリカ映画を観慣れてくると「13年前の作品としては」とマイナス点も言いたくなるけど、過剰ではない。
だから評価は ★★★★ を付ける。不測の事態はいつ訪れてもおかしくない。これを乗り切ったら新しい装置にしよう。今暫くは辛抱して、ごまかして使おう。という事は怖いものなのです。電化製品であれ、自動車であれ、人の身体であれ、セキュリティの不安のあるコンピューターシステムであろうとも。
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