老いらくの恋 天国と地獄を見せるコンチェルト
モーツァルト管弦楽団を指揮してクラウディオ・アバドが最後に共演したのは、マルタ・アルゲリッチでした。近年、ジョアオ・ピレシュとの爽快なモーツァルトを聞かせてくれたばかり。
この二人はお互いの存在あったからこそ、今の二人が在ると言って言い過ぎではないと思います。分かりにくい言い回しになったけれどもプロコフィエフ、ショパン、リストのピアノ協奏曲を録音したレコードは長い間ドイツ・グラモフォンの顔といえるレコードでした。
オーケストラこそロンドン交響楽団だったけれども、ムターのデビューがいきなりカラヤンの指揮するベルリン・フィルだったというのと違う幸運だったと考えます。
青春まっただ中だった二人の間に何もなかったのでしょうか。当時のポートレイトではクラシック演奏家というよりもジャズのセッションの途中のショットじゃないかと思ってしまいそう。
忙しい日々となって青春どころじゃなかったのかもしれませんが、純粋な音楽だけの付き合いだったのでしょう。そんな二人も年日が過ぎて、熟達した音楽をきかせ合う。最後となった演奏会の録音からは互いの人生を語り合うようです。
老いらくの恋。そんな話題もこの二人なら聞かせてくれたかもしれない。
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