今日はじめて聞いたのに前から知っていたような錯覚に誘ってくれる人懐こしさ。そこが優しい姉さんの胸のゆりかごで育んだ少年の音楽の特別な美しさ清々しさなんだ。
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ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番 の優秀録音
ソロ・ピアノが入ってくる直前のゾクゾク感。極上のジャズ・セッションに接した時のようなドキドキ感が躍動している。 録音から45年過ぎてサウンドは古臭いけど、音楽に浸るワクワクした楽しさは一向に新鮮味を失っていない。 Ama
イギリス・ビールと海と空が育んでいた音楽
Britten Conducts English Music for Strings
演奏
- 指揮:
- ベンジャミン・ブリテン
- オーケストラ:
- イギリス室内管弦楽団
- Soloist
- Emanuel Hurwitz – 1st violin;
Jose Luis Garcia -2nd violin;
Cecil Aronowitz – viola;
Bernard Richards – cello
曲目
- Side1
- シャコンヌ ト短調 (弦楽合奏のための)、序奏とアレグロop.47 (弦楽四重奏団と弦楽合奏のための)
- Side2
- シンプル・シンフォニーop.4 (弦楽オーケストラのための)、二枚の水彩画、ロジャー・ド・カヴァリー卿 (弦楽オーケストラのための)
- 作曲:
- パーセル、エルガー、ブリテン、ディーリアス、ブリッジ
Recording information:
- Elgar, Britten & Delius:
- Pr: David Harvey, Eng: Gordon Parry
31 May 1968, Snape Maltings - Purcell & Bridge:
- Pr: David Harvey, Eng: Kenneth Wilkinson
18-19 Dec 1968, Snape Maltings
- 番号
- 英 DECCA SXL-6405
- 初版
- ラージ・ラベル、ED-3。ED-4ラベルでも1W/1Wスタンパーでのプレスが多くあります。
- トッぽくもうら悲しい品格高きアルバム
- ラベルには(P)1969と表記されている。1968年のオールドバラ音楽祭直前とクリスマス休み直前の録音。曲によりエンジニアが異なります。ジャケットの写真は、この録音がなされた『醸造所』。スネイプ・モルティングスは19世紀に建てられたイーストアングリア最大の麦芽製造所を改造して、音楽祭のため1967年に常設のコンサートホールへと改造したものです。ブリテンのデッカ録音にある時期からもルティングスが現れたのが、ブリテン本人の希望であったことは誰もが知っている。サフォークの海と空を気に入ったブリテンは、その地の教会やホールを用いてオールドバラ音楽祭を始めた。オールドバラの聖ピーター教会や聖ポール教会では、パスカル・ロジェのピアノ録音にデッカは良く使っている。
この『ビール醸造所』は1969年の音楽祭初日直前に火事で焼失、現在では2つのスタジオを持つホフマンビルをはじめとする複数の建物が建設されている。音楽を聴かせると食べ物が美味しくなると言いますが、美味しいビールを育んだモルティングスだから良い音楽が響いたのか、前後差から生じている豊かなリヴァーブにエンジニアは手を焼いたと思うほどですが、ウィルキンソンは低弦から生まれるレゾナンスを積極的にとり込み、暖かそうな衣装として音楽にまとわせた。その言いようのない豊かさに、聴く人の耳は魅了される。豊かなモルトに醸された空気の海に浮かぶ弦楽だけの響きに酔いしれてほしい。 - タイトルは「ブリテン、英国(弦楽のための)音楽を振る」。パーセルからブリッヂに渡る中心に自身の『古典交響曲」を据えて英国音楽の俯瞰。バロック最盛期から世紀末まで、英国は輸入音楽に委ねてしまった。自国で音楽家を育てる必要性を国家が感じなかったからだ。鎖国中に国内で庶民が自発的に文化を作った日本とは又異なる島国の国民性だろう。
それはともかくもアルバム全体を通して聴いて、白眉はブリテン自作のシンプル・シンフォニー。
イギリス音楽の聞き所はここだと言わんばかりの選曲はバロック音楽の変奏曲形式の一つだった『シャコンヌ』から、クリスマスシーズンに録音されたブリッヂの『ロジャー・ド・カヴァリー卿』も基本的に民謡を主体にした変奏曲スタイルの作品である。副題に“弦楽合奏のためのクリスマス舞曲”とあるが曲の最後の方に有名な「蛍の光」の旋律が聴こえるなど現代的な雰囲気の中にあらわれるこれらの民謡風の旋律が非常に印象的である。選曲意図からして、ブリテンの音の好みがそのまま凝縮されたようなトッぽくもうら悲しい品格高きアルバムである。これがすなわちイギリスの音だというのであれば、これ1枚でその何たるかが感得できると言ってもいいくらい。だとすれば、イギリス音楽が好きな方には堪らないでしょう。
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